学思塾からのお知らせ
10年後の自分を見すえた志づくり
学思塾長 中田 隆二
みなさんが30歳となり、会社組織の中心で活躍している時代はどんな社会となっているでしょうか。
10年後の社会を予測するには、イメージを膨らませながら自分なりに考えることが必要です。今後さらに社会をかえるきざしとして、自動運転、電気自動車、3Dプリンター、ドローン、iPS細胞などがあげられます。ロボットによる自動化で「消える職業」もあり、みなさんの半数は今ない職業に就くとの予想もあります。
また、少子高齢化の日本で、労働力も大きく減少する見込みです。この労働者減少の対応策は、ロボットなどで生産性を向上させること、高齢者や女性が働けるように環境を整備すること、外国人労働者を受け入れることだといわれ、政府が取り組む「働き方」改革の背景となっています。
こうした社会の転換期で、将来どのような仕事に就き、どのような働き方をしたいのかを考える必要があります。興味があることは何か。自分は何が得意で仕事にどのように活かせるか。仕事に必要とされる能力をつけるために、どう学んでいけばよいのか。将来の仕事と自分の能力を結びつける「学び」を考えると進路がおのずと見えてきます。
人は一人ひとり違い、世の中でそれぞれに適した役割があります。自分にしかできない役割があります。「障害をもつ弟のために」といって医師の道に進んだ同僚の娘さんがいました。明確なゴールを持てば頑張れます。富士山登山にも吉田ルートや富士宮ルートがあるように、努力して進むべき道は一つではなく複数あります。ゴールから振り返ると、高校や大学は途中経過に過ぎません。
「一年間幸せに暮らしたければ、宝くじを買え。一生幸せに暮らしたければ、自分の仕事を愛せよ。」という格言があります。自分自身を知り、自分が満足しかつ生活を支える仕事を見つけることが、自分の人生をつくることになります。生活の充実で仕事がはかどり、仕事がうまくいけば私生活も潤うという仕事と生活の「相乗効果」が期待できます。素晴らしい仕事と帰宅後の充実した私生活の両方を大切にするバランスが必要です。
敗北や挫折を多く経験し、自分の強み・弱みを知っている人は、自分の困難な問題を助けてくれるのは家族や先輩、友人だと自覚しています。様々な困難が待ち受けている人生で、自分の応援団である身近な人々を大切にする人生を歩んでもらいたいと思います。
社会構造の大きな変化の中で、受け身で対処するのではなく、自ら課題を発見し仲間と協働してその解決を図り、新しいものを創造する能力を持つことが求められます。将来の姿を想像しながら、何か新しいことに挑戦する姿勢を持ち続けてほしい。あなたの情熱を人のためにも使ってほしい。大きな志を抱き情熱と才能を存分に発揮する人生を送り、様々なチャレンジが生まれる活気ある社会を築き上げてください。